社長の田嶋崇之です
優先順位の話
今年の夏はとても暑かったです。お彼岸が過ぎ、日が短くなったのに、まだ気温が30度近い日があって、それなのに街路樹は例年よりも早く色づいてきたというか、暑さで枯れてきた感じです。個人的には冬より夏が好きで、このままエンドレスサマーでいいやなんて、ちょっと思うのですが、やはり今年の夏は異常でした。こんなに異常だとこの先、人類は大丈夫かとか地球の未来はどうなるんだ、なんて考えてしまいます。そして異常気象も戦争も原発処理の問題も、今の結果をもたらしているのは人間の「欲」のなれの果てなのだろうと思います。しかし「欲」がある事は悪い事ではなく人類がここまで発展してきたのも「欲」があるおかげと言えます。以前にも書いた話題ですが、社会はともかく個人として何を大事にするべきか「欲」に限らず考えてみました。
私にとって大事なもの、それは「愛」だとか「家族」と答えるべきですが、もっと即物的なもので言うと、やっぱり誰でも「お金」が大事だと思います。私の場合おいしいものが大好きで「食欲」は人並み以上にありますが「お金」があればおいしいものだけでなく趣味のバイクや車が買えるし旅行にも行けます。宗教は人々を救済するものですが、その宗教に「お金」をつぎ込んで生活が破綻する人もいます。しかしそれもその人の価値観がなせる業(わざ)で世の中には様々な価値観があり、最も普遍的に価値を交換できる手段が「お金」です。だからみんな「お金」をたくさん稼いで貯めて何の心配もなく好きに暮らしたいと思い、近年は不動産投資がブームで、そんなお客様が当社にもたくさん来られます。
「お金」より大事なもの、それは「時間」だと思います。世の中には生まれたときから裕福な人がいたり努力して「お金」を増やした人がいたりします。私たち日本人は世界の中で見ると生まれたときから裕福な方ですが、そんな日本の中で格差が広がって自分の事をみじめに感じている人がたくさんいます。しかし「時間」は全ての人に平等に与えられ、どんなに長生きしても人の寿命は100年ちょっとです。どんなお金持ちでも「時間」の有効活用は出来ても「時間」そのものを増やすことは出来ません。「お金」が大事だからと言って、それを得るために命を縮めるのは本末転倒だと思います。だから私は、短命のお金持ちになるよりも生きるのに困らなければ「時間」がたくさんあった方が良いと思います。
「時間」より大事なもの、それは「健康」だと思います。私は人並みくらいには「健康」で普段はそれが当たり前に思えてしまいます。しかし二日酔いで頭が痛い事が割とあって、それは反省しかないのですが、片頭痛で悩んでいる人はこれが日常なんだと思うと、こんな事からでも「健康」の大事さが痛いほどよく分かります。お金で高い医療は受けられますが「健康」な体を買って乗り換えることは出来ません。だから私は不健康なお金持ちより健康な貧乏人の方が良いと思います。今の日本ではイヤでも100年くらい長生きする事を考えないといけませんが、どうせ長生きするなら不健康で苦しんで長生きするより健康に長生きした方が絶対に良いですよね。
ここまでは以前から考えてました。最近はこれらに加えて「人と人とのつながり」「コミュニティ」とか「コミュニケーション」が大事だと思わされる事が多々あります。不動産の仕事をしていて最近多いのは、年齢を重ねたお客様の終の棲家(ついのすみか)を探すお手伝いです。これらのお客様は今まで通り住まいに住み続けられれば良いのですが、何らかの理由があって高齢になって(または近づいて)から家を探し始めます。そして割と多くの方に共通しているのが「誰にも頼りたくない」とか「誰も頼りに出来る人がいない」という事です。こういった方たちは住まい探しに苦労する事が多いですし、住まいが見つかっても、その後の生活に苦労する事が多そうです。こんな事を目の当たりにしていると、つくづく人間関係は大事だと思い、良好な人間関係を作れる人間でありたいと思います。
そしてここまで考えると何より大事なのは「愛」だとか「家族」なんだと気づかされます。