2021年10月号 社長ハロー通信より

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社長の田嶋崇之です

クルマがみんな電気自動車になりそうな話

 オリンピック・パラリンピックが無事終わりました。日本はメダルラッシュで他国からの参加者も含めて競技そのものはとても有意義だったと思います。ただ私たちが直接観戦する機会はほぼなく、結果的に全く使われずに作って壊される施設だとか設備だとか諸々の巨額の経費がかかっているのにチケット収入はほぼゼロで、これから残務処理をどうするのか、あまり考えたくない状況です。オリンピックだけでなく新型コロナの経済的な影響をチャラにするために世界中の偉い人たちがスイスのダボスあたりに集まって、ハイパーインフレを起こしてみんな無かった事にしちゃおう、なんてやり始めないか心配です。

 それはともかく車やバイクが好きな私にとって同じように気がかりなのは自動車の電動化問題です。世界の各国が2030年代から2040年ころまでにガソリン車やディーゼル車の販売を中止して電気自動車に置き換えるというものです。ロールスロイスは2030年までに完全に電気自動車に移行するそうです。地球温暖化の悪化を避けるためにCO2排出を抑制するのが目的ですがヨーロッパではハイブリッド車も禁止にして日本の得意分野が狙い撃ちにされて自動車業界にパラダイムシフトが起こると言われています。世界的な異常気象の状況を受けるとCO2排出抑制は進めるべきで自動車の電動化も進めるべきですが、電気自動車になるとエンジンやトランスミッションが必要なくなります。日本には自動車メーカーはもちろん、完成車メーカーに部品を供給する自動車部品メーカーも多数あります。これらのメーカーがこれからどうするのか、もうとっくに考えているのでしょうけど、これからの推移が心配です。そして地域のガソリンスタンドの廃業が相次いで、代わりに原子力発電所が世界中に出来て、おまけで核兵器をこっそり作る国がたくさん出て来る気がして、自動車の電動化は良い事ばかりではないと思っています。

 そして自動車の電動化に反するようですが、ここにきてガソリン車の中古車価格が上がってきています。少し前まで車でもバイクでも、私が学生の頃は手が届かなかった90年代のものが種類も数も多くて値段が手ごろで、ネットのカーセンサーとかグーバイクのサイトを買いもしないのに見るのが楽しみでした。それがここにきて人気車種が以前よりさらに値段が上がってきて、それにつられて大して人気がなかったような車種まで値上がりし始めています。電気自動車は静かでスムーズで環境負荷も少なくて、それこそロールスロイスみたいな高級車は価格が上がっても動力が電気モーターになるのが自然な流れだと思います。20代の頃、中古車屋で働いていて初めてプリウスが入荷した時にモーター駆動のスムーズさに驚いて、いつかこんなのに乗りたいと思いました。それが今や当たり前になると、逆に純ガソリン車のエンジン音や振動、ミッションを操作する“車を動かしている”感じがたまらなく魅力に思えてきます。この先、最低でもハイブリッドが義務みたいになって10年後にはエンジン車をつくらないメーカーがいくつも存在するのが分かると、今のうちに欲しかった車を買わなきゃ、みたいにみんな考えているのだと思います。合わせてこのコロナ禍で人と会わずに一人で楽しめる趣味として車やバイクが注目されている面もあるようです。

 なので、私も今までカバーをかぶったまま動かさないでいたバイクを修理に出し乗り始め、さらに20代のころからずっと欲しかったバイクを買っちゃいました。自宅がバイク屋みたいになっています。キャブレター車なのでこれから寒くなる時期に1週間に1度はエンジンかけないとそのうち動かなくなるので今から毎週必ず動かすようにしています。このマイブームが途絶えないように電動化の波にあらがっていきたいと思います。